アートメイクに触れるうちに、年々進化を続ける技術に魅了され自分が施術を行う側になりたいと考えている方も少なくないでしょう。
一般的にはあまり知られていませんがアートメイク施術者になるにはどんな資格が必要なのでしょうか、エステのように国際基準のライセンスがあるのでしょうか?
今回は、
・アートメイクの施術に必要な資格
・日本と海外の資格の必要性
・アートメイクの国際ライセンスの種類
について詳しく解説いたします。 これからアートメイクアーティストを目指す方の参考になれば幸いです。
前提としてアートメイク施術できるのは医療従事者のみ
アートメイクは大前提として医療従事者が施術を行います。
アートメイクは専用機器を使って皮膚にこまかな傷を付けて眉や唇部分に着色しますが、衛生的な観点から医師法第17条で「医療従事者が施術すべき」と定められています。
施術者が全員医師免許を持っている必要はなく、医師の指導のもと看護師または准看護師がアートメイクの施術をしているクリニックが多いようです。
ただ、医師がいないサロンやクリニックで施術を行うのは看護師であっても禁止されています。
医師免許を取得していたとしても、肝心のアートメイクに関する知識や技術がなければ安心して施術を受けられません。
そのため、日本国内でアートメイクアーティストになるならば医師免許あるいは看護師免許にプラスして、アートメイクの技術が求められます。 アートメイクのカリキュラムを修了したことを示すライセンス(ここでは民間団体が発行したものを指します。)は、ディプロマとも呼ばれ、国内外に多くのライセンスが存在しています。
アートメイクに国際ライセンスはある?
アートメイクの国際ライセンスは数多く存在しています。
日本ではアートメイクが一般的に普及してからはまだ歴史が浅いですが、台湾やアメリカでは数十年前から研究が続けられてきました。
そして現代では、欧米やアジア、その他の国と地域でアートメイクが広まっており、それに伴い国際ライセンスの数も増加しています。
日本ではライセンスは不要?
日本でアートメイクの施術をする際に必須なのは、先述の通り医師免許か看護師免許ですので、国際ライセンスは必ずしも必要というわけではありません。
ただ、国際ライセンスを所有していると技術力や知識があることの証明となりますので、美容医療クリニック等への就職時やお客様へのアピールとしても有効でしょう。
海外で施術するにはライセンスが必要な場所もある?
海外でアートメイクアーティストとして活動する際、必要なライセンスや資格が気になりますよね。
結論から言うと、国や地域によってルールは異なります。
アートメイクの研究が進んでいるアメリカでは、州によって規則が異なります。
ライセンスが必要な州も有れば、健康省や指定された団体の認可を受けなければならない州もあり様々です。
ただ、医療従事者のみが施術できるという日本の規則は世界的に見ても厳しいようです。
国際ライセンスの取得方法は?
アートメイクの国際ライセンスを取得するためには、スクールに通う必要があります。
国際ライセンスと言っても海外ではなく日本のスクールで取得できるものも多いので、学校に通いながら、働きながらの取得が可能です。
スクールによって入学条件は異なりますが、中には「医療従事者のみ受講できる」という所もあります。
現在医大や看護学校に通っていてまだ資格を有していない方は申し込み前に条件をよくご確認ください。
国際ライセンスでは何を学ぶ?
一言で「国際ライセンス」と言っても、国や団体、学校、指導者によりカリキュラムは様々です。
同じスクールのアートメイク講座でもコースが変われば内容も異なります。
基本的には、
・アートメイクに関する総合的な技術と知識が身につくコース
・眉やリップ等部位ごとのカラーリングやデザインなど専門的な内容を学ぶコース
に分けられるでしょう。
スクールによっては、カウンセリングや接客に関する内容だったり、美容医療に関するより専門的な講座が選べたりすることもあります。
また、受講もオフラインかオンライン環境か、という違いもあります。
アートメイクの国際ライセンスはどんなものがある?
アートメイクの国際ライセンスは、国や地域ごとに多種多様だとご紹介しましたが実際どんな種類があるのでしょうか。
こちらでは、日本で取得できる国際ライセンスの中から厳選した4つの特徴・概要について詳しくご説明していきたいと思います。
①BioTouch
BioTouchは、1984年に設立された老舗の医療アートメイクスクールです。
スクール開設から現在に至るまで、世界で数万人以上のアートメイクアーティスト、技術者を輩出してきました。
BioTouchのスクール卒業生には著名人を顧客に持つ有名アーティストもいるほど。
アートメイクスクールのパイオニアだからこそできる一流の講師陣による充実したカリキュラムと指導方法が魅力で、アメリカ本部から講師を招いた特別講義も開催され国際基準の技術や知識が身につきます。
国内で唯一「色素形成による医療補助」が学べるスクールでもあり、フリータイム制で自分の生活スタイルに合った受講が可能です。
Bio Touch Japan では、
・医療アートメイクコース
・医療補助コース
・歯科医師限定リップコース
の3大総合コースの他に、スキルアップに役立つ専科コースも利用できます。
②ROC
ROCとは、Repubikc of China(中華民国)つまり台湾のことです。
台湾政府公認の美容学校が手掛ける国際ライセンスとして、世界的な規模を誇っています。
ROC国際メディカルアートメイク協会(RIAA)は、アートメイクには「正しい知識、正しい技術、プロとして自覚を持った指導者、技術者」が必要という考えのもと育成に尽力しています。
大阪にある日本のROCのスクールに入れるのは、医師または看護師のみなのでご注意ください。
スクールのカリキュラムの例は以下の通りです。
・アートメイクの理論
・デザイン
・マシンの技術
・修正方法
・衛生管理
・アレルギー
・カラーリング
・カウンセリング学
・カルテの作成
・接客について
基本的には電動マシンを使用した施術となりますが、オプションで手彫りコースもトレーニング可能です。
経験者用のコースも設置されており技術力の見直しをしたい方、久しぶりにアートメイクアーティストとしての活動を再開する方にもうってつけです。
技術以外にも実際の仕事で必要となるスキルが広く学べるため、将来的に自分の美容クリニックを開院したい人、色々な面で施術レベルを上げたい人におすすめです。
③sofTap
SofTap(ソフタップ)とは、アメリカ発のアートメイク国際ライセンスです。
眉毛・リップ・アイラインなど様々なパーツアートメイク技術を学ぶことができ、SofTapで販売・使用されているカラーは厳格で知られるFDA(アメリカ食品医薬品局)で認められた材料のみを使っています。
日本にもSofTapの指定校があり、コース受講後にアメリカのSofTap本社からライセンスが発行されます。
細く繊細なニードルを使って手彫りで色素を入れるのが特徴で、電動マシンとは異なるナチュラルな仕上がりと痛みの少ない施術スキルが学べます。
ライセンス取得のための期間は地域や講座によって異なりますが、Softapアートメイクスクール東京の場合は7日間40時間ほどが目安です。
基本的なアートメイクの技術の他に、アートメイクした部分が変色した場合の修正方法や毛が生えていない部分の施術の仕方などあらゆる場面を想定したレッスンが行われています。
④PhiBrows(フィブロ)
近年人気のPhiBrows(フィブロ)は、ヨーロッパ発祥の眉毛のアートメイクライセンスです。
独自のアプリケーションを使い骨格や筋肉に合った形をデザインし細かく描いていくので、まるで自眉毛が増えたかのように自然な仕上がりになります。
PhiBrowsでは、レベルに応じて以下のようにランク分けがされています。
・GRAND MASTER
PhiBrowsで最も高いレベルで年間100人以上のSTUDENTを有し、なおかつCRAFT MASTERを1年以上経験した者。
・CRAFT MASTER
CRAFT MASTERはPhiAcademyのルールと、アプリケーションに従って全てのレベルに合格するよう生徒を指導します。
・MASTER ASSISTANT
ROYAL ARTISTとして経験を重ね、CRAFT MASTERの指導を支援します。
・ROYAL ARTIST
6ヶ月以上アーティストとして活動し、SNSやグループで活躍し基準を満たしている人を指します。
・ARTIST
PhiBrowsのSTUDENTでトレーニングに合格した人全員を意味します。
・STUDENT
トレーニング中の人をSTUDENTと称し、これからアーティストとなる人達のことです。
まとめ
アートメイクは医師免許(または看護師免許)を持っているだけでなく、技術力やセンスが問われます。
国際ライセンスは施術に必要不可欠なものではありませんが、取得することでご自身のスキルのアピールに利用できます。
日本だけでなく、海外でアートメイクを仕事とする場合にも役立ちますので、海外で活躍したい方は本文中でご紹介したライセンスをぜひご覧ください。