看護師や医師がアートメイクで開業する方法を紹介!経営の注意事項や手順を解説 | アートメイクスクール

看護師や医師がアートメイクで開業する方法を紹介!経営の注意事項や手順を解説

アートメイク知識

転職を考えている看護師や、既にアートメイククリニックで働いている看護師の中には独立を考える方も少なくありません。また、医師の中にもアートメイクでの開業を考える方や美容クリニックの新メニューとしてアートメイクの追加を検討する方がいらっしゃると思います。

この記事ではそれらの方々にアートメイクで開業するための条件や知っておくべき背景知識をご紹介します。また、アートメイククリニックの具体的な開業手順やお役立ち情報もご紹介します。

アートメイククリニックを開業するための条件

アートメイクは針と色素を用いて顧客の眉やリップ、アイライン等に着色していく行為です。麻酔を使用する危険を伴う行為であるためアートメイクの施術は厚生労働省により医療行為にあたると解釈されています。

以下に示す行為は、医師が行うのでなければ保健衛生上危害の生ずるおそれのある行為であり、医師免許を有しない者が業として行えば医師法第17条に違反すること。
~部分省略~
(2)針先に色素をつけながら、皮膚の表面にすみ等の色素を入れる行為

厚生労働省

その結果、アートメイクの施術ができるのは医師と歯科医師もしくは医師の監督下の看護師のみとされています。無資格の者が施術を行った場合違法となり処罰の対象となります。

また、医療行為を行える場所にも制限があります。医療行為を行える場所は病院やクリニックに限り、無届けの場所で診療や施術を行うことも医療法違反に当たります。

クリニックを開くには医師免許が必要

前述の通りアートメイクを施術できる場所はクリニック等の医療機関のみと定められています。そのため、アートメイクで開業するためにはクリニックを開業できる条件を満たす必要があります。クリニックは言い換えると病院の一種です。そのため、開業の条件で第一の障壁になるのが医師免許です。少なくとも必要な研修を終えた臨床研修終了医師でなければ開業届を出せません。

また、それに加えて不動産取得や初期設備投資、人件費や各専門家への依頼にかかる多額の資金も必要になってきます。

サロン・クリニック・病院の違い【豆知識】

美容施術を行う場所としてはサロンやクリニックが挙げられるかと思います。この2つは似たようなものに感じますが、サロンとクリニックではできる施術内容に大きな差があります。

サロンとクリニックの決定的な違いは医師免許を持った人がいるかいないかの差になります。そのためクリニックでは医師自ら、もしくは医師の監督の元で看護師が医療行為を施せます。

しかし、サロンでは医療行為は行えません。例えば、脱毛業界にはクリニックで行う医療脱毛とサロンで行うサロン脱毛の2種類がありますが、サロンに医師は常駐していません。そのため、万が一の対応や薬の処方ができないため出力の高い機器を扱うことができません。アートメイクもクリニックでしか施術できない医療行為に当たります。

また、病院とクリニックにも違いがあり、これらは主に病床数によって区別されています。病床数が20床以上の医療機関を”病院”と呼び、19床以下の医療機関は”クリニック”もしくは”診療所”や”医院”などと呼ばれています。

アートメイクの個人サロンに関する記事はこちら

現状は看護師だけの力でアートメイクで開業することは難しい

現状の日本の法律だと高いアートメイクを技術を持っていたとしても看護師がアートメイクで開業することは困難。クリニック経営者になることは難しいです。

医師免許がなければクリニックを設立することはできず、看護師はアートメイク施術を「医師の指示のもとで」行う必要があるためです。

中には開業は知り合いの医師に任せて看護師の自身はクリニックのオーナーになるというケースもあるようですが、非常にレアなケースですのであまり現実的ではありません。

看護師でもフリーランスのアーティストとなることで独立は可能

それでは看護師がアートメイクで独立・開業することは不可能なのでしょうか?
その答えは「開業は難しいが独立は可能」です。

具体的にはフリーランスとなり、個人で顧客を獲得して提携しているクリニックにて施術を行うことはできます。この方法であればクリニックの医師の指示のもとで施術が行えるため、法律に違反しません。

全国複数のクリニックと提携できれば場所にとらわれず全国のお客さんに施術することができますし、価格の設定にも融通が効くようになります。

インスタグラムなどのSNSで日頃から症例などを発信し、高い評判を得ることで「是非、この人に任せたい」と考えるお客さんから依頼を獲得できます。

フリーランスのアートメイクナースになるメリット

主なメリットは2つ挙げられます。1つ目は高収入を目指せる点です。契約による報酬の上限がなくなるため、頑張れば頑張るほど高い収入が見込めます。2つ目は働く日数を自由に選べる点です。クリニック勤務とは異なり休みの日程を自分で決定できるため長期の休みを取ることも可能です。

フリーランスのアートメイクナースになるデメリット

フリーランスになるデメリットもあります。例えば、税金関連の手続きが必要になる点が挙げられます。こちらは個人での手続きが必要になるため、税理士に依頼したり自分で勉強する必要があります。他にも、自分自身で集客を行う必要性や自ら最新の技術をアップデートしなければならない点などがデメリットとして挙げられます。

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医師がアートメイククリニックを開業・経営する方法

ここからは医師がアートメイクで開業する方法について解説していきます。どのジャンルのクリニックでも共通する開業準備やアートメイククリニックに特有となる準備や注意事項に分けて解説します。

どのジャンルのクリニックにおいても共通の開業手順・注意事項

開業目的の明確化

どんなクリニックでも事業の目的が明確になっていることは重要です。特に競争の激しい市場では顧客ニーズを的確に捉えて対応することが重要になります。はっきりとしたビジョンを持っていると、開業にあたり直面する多くの選択を誤ることなく進められます。

開業資金の獲得

全額自己資金で開業するクリニックは少なく、借り入れや融資の合計額でのボリュームゾーンは7000万円から1億円。十分な自己資金が貯まるまで貯金をする選択肢も多いですが、新興の市場では競合よりも早く開業することで先発優位を得られます。

現在、クリニック開業への銀行からの融資は低金利や無担保など好条件が揃っています。融資を受けるには筋の通った事業計画や無理のない返済計画が必要になります。

開業地の選定

どこに開業するかは集客やコスト面で重要な要素になります。利便性が高く対象患者が多い一方で競合も多く賃料も高い都市部。賃料が安く、競合が少ないため比較的集客に困らない一方で不便かつ今後の人口減少が見込まれる郊外。自身のクリニックの戦略と照らし合わせて条件の良い物件を探す必要があります。

各専門家の起用・依頼

クリニックの開業には多くの申請や届出が必要となります。自力で行える範囲には限りがあるため、専門家への依頼が必要です。医療業界では独特の決まりごとが多いため、医療系案件の経験が豊富な依頼先を選ぶと良いでしょう。

弁護士診療をめぐる訴訟や法律トラブルへの対応
税理士毎年の税務申告時、税務会計の委託
社会保険労務士就業規則の作成や従業員とのトラブルに対応
行政書士行政への提出書類の作成や手続きの委託
設計士
内装会社
クリニックの設計や工事の実施
HP制作者クリニックのホームページの制作委託

以上の中でも税理士・社労士・行政書士が同じ組織で機能していると連携が進みやすいです。逆に、税務・労務・法務を担う窓口がそれぞれ別になってしまうと連携が難しく返って負担が増えることがあります。

アートメイククリニックに特有の開業手順・注意事項

アートメイクのクリニックではその他診療クリニックとは異なる特有の注意事項があります。

集客に力を入れる必要がある

インターネットが中心のアートメイクの集客では2つの障壁が存在します。

1つ目の障壁は施術ハードルの高さ。アートメイクは保険診療適用外なので大金を払ってでも施術を受ける価値があると思ってもらう必要があります。

2つ目の障壁は競合他社との差別化の難しさです。施術を受けに来る消費者は頻繁にアートメイククリニックに通うわけではありません。そのため、遠方から施術を受けに来る方も多いです。つまり、1クリニックあたりの商業圏が広いためライバルは多いと言えます。提供するサービスが似通う中で競合ではなく自社を選んでもらうためには洗練されたホームページや広告出向、ブランディングへの様々な工夫が必要になります。

人材の獲得・教育が重要

アートメイクに対する需要が好調な一方でアートメイクアーティストの数は需要に追いついていないのが現状です。そのため、人材を獲得するためには働きやすい環境の整備などが重要です。また、アートメイクの出来映えは技術者のスキルに大きく左右されます。売り上げや評判にも直結する部分ですので、スキルの高い技術者の雇用はもちろん研修にも力を入れる必要があります。

アートメイク機材の価格相場

開業にあたり設備投資にいくらかかるのかは気になるところです。そこでアートメイクに必要な機材の価格相場をリサーチしました。

まず最低限アートメイクの施術に必要な設備は以下の2つが必要です。

・施術ベッド
・アートメイク機材

このうち、相場がイメージしづらいアートメイク機材の価格帯について見ていきます。アートメイクは針のついたペンのような機械を使って皮膚に色素を入れていきます。

日本においてアートメイク機材や色素を購入できるのは医師のみですが、海外では個人でもアートメイク機材を購入可能です。そこで海外サイトのおすすめ機材紹介記事を調べました。

その結果、プロの施術で実際に使われる機材の価格は5,000円から30,000円程度が多いことが分かりました。最高級の機材でも200,000円程ですので、設備費用は比較的高くないと言えそうです。

また、しょうも

アートメイクの売り上げ額イメージ

アートメイクのメニューではどのくらいの売り上げが見込めるのでしょうか。一般的な施術料金相場や施術可能人数をもとにシュミレーションをしてみます。

アートメイクからの売り上げを以下の式で表せると仮定します。

在籍アーティスト数 × 1日あたり患者数 × 平均施術価格 × 勤務日数 = 1ヶ月あたりの売り上げ

式に具体的な数字を代入します。

稼働アーティスト数(3人) × 1日あたり患者数(4人) × 平均施術価格(6万円) × 勤務日数(22日) = 1ヶ月あたりの売り上げ(1584万円)

上記はあくまで安定的に顧客の獲得ができる場合の理想的な数値ですが、3人のアートメイクアーティストを雇い、フルタイムで働いてもらった場合1ヶ月で1584万円を売り上げるという結果が推定できました。

まとめ

以上で看護師がアートメイクアーティストとして独立する方法や医師がアートメイクで開業する方法をまとめました。是非、今後のキャリア選択や開業準備にお役立ていただけますと幸いです。

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